破壊屋破壊屋ベスト&ワースト2005年の映画の感想一覧ベスト映画ワースト映画珍作映画

2005年度公開作品_珍作映画

2005年度珍作映画

第一位   バンジージャンプする

韓国人というのは恨(ハン)の民族です。「恨」は「恨み」と同じ漢字ですが、日本語の「恨み」とは違う意味で、字幕でも「情念」「怨念」「復讐」「過去」「嘆き」「魂」とか色々訳されるそうです。ここでは「恨」を詳しく説明しませんが、これらの言葉から「恨」がどういった要素を含むかはわかると思います。
「恨」は韓国映画において極めて重要な要素ですが、意識している人が少ないように思えます(「恨」の概念も知らずに韓国映画を評論している批評家もいます…)。最近の映画だと『美しき野獣』のラストシーンなんかが日本人(韓国人以外)にはピンと来ないかもしれません。西洋人が日本映画の「仁義」という概念が上手く掴めなかったり、日本人がハリウッド映画を観てもキリスト教の観念が理解しにくかったり、移民の要素が出てきても全く気が付かなかったりするのと同じですね。
でも韓国映画を観ればすぐわかると思いますが、韓国映画のドラマは諸外国の映画よりもとことん情念を優先させます。またアメリカ映画でありがちな「過去の恋をキレイサッパリ捨て去る」という展開が少ないのも特徴的です。

「過去に心に宿った情念は決して忘れずに、想い続ける」。これこそが韓国映画の人間ドラマが面白いジャンルであることの要素であり、逆に政治的な話になると歴史問題などで色々とこじれてしまう要素にもなっていると思います(恨は日本の植民地支配にも根ざしている)。
そんな恨の民族である韓国人が永遠の愛を描いたらとんでもない事になるのは当然だ!


2005年も色々と珍作怪作を観てきましたが、『バンジージャンプする』の前には全ての映画が霞む!
『大統領の理髪師』をベタ褒めする映画評論家ども!
『マラソン』をベタ褒めする映画ファンども!(すいません、僕です)
『四月の雪』をベタ褒めする韓流好きども!
お前らまだ甘い!2005年最強かつ最凶の韓国映画は『バンジージャンプする』だ!


『バンジージャンプする』は韓流四天王イ・ビョンホンを主役にした、少しおかしくてちょっと切ない恋愛映画です。前半までわ。70年代韓国を舞台にした一目惚れから生まれる大学生達の恋物語は、あまりにも純情すぎて観ていてくすぐったいくらいです。前半までわ。いやね、前半過ぎるとね、突然物語が変わるのよ。
後半の舞台は現代韓国で大学生だった主人公は教師になっています。前半の恋物語とは打って変わって、立派な高校教師へと成長した主人公の人間ドラマが展開する。この監督は演出が上手い人なので、突然の変貌が起きても映画は破綻しない。僕は鑑賞しながらこう思いました。
「一体何でいきなり高校教師の物語になってしまったのだろう」
「うん?これさっきから主人公の心情描写おかしくね?
「まさか…、まさか…、まさかこの映画って…ええ?マジで?」

この映画の後半に込められた秘密に気が付き、前半の恋愛描写全てが後半の伏線に過ぎなかったことに気が付いた瞬間、僕は冗談抜きで座席からずり落ちそうになりました。


[「愛の生まれ変わり」]が出てくる物語はいくらでもあるけど、ここまで徹底して描いた作品は初めてじゃないか?もし同じ内容を日本映画やアメリカ映画がやったらきっと世紀の駄作となったでしょうが、さすが恨の民族が作っただけあって不滅の愛の演出にも強烈な説得力があります。ただ個人的な意見を言わせてもらえばこの場合愛は滅したほうが良かったと思いますが


後半に何が起きるかは実際に『バンジージャンプする』を観て、自分の目で確認して欲しい。韓流に興味ない人でもチャレンジして欲しい。むしろそういう人にこそ観て欲しい。『バンジージャンプする』を観れば韓流とかどうでも良くなってくるから。『カンフー・ハッスル』の数百倍は「ありえねー!」映画でした。


【珍シーン】
後半全部
この展開に泣けばいいのか、怒ればいいのか、どうすれば良いのかわからないのでとりあえず笑うしかなかった。でも上映終了後には僕も、一般客も、韓流大好きな女性もみんな笑ってました。悲劇の恋愛映画のはずなのにみんな笑ってた

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第二位   フォーガットン

公開される前から友人知人やネット上の人から
「ギッチョさん、あなたは『フォーガットン』を観るべきだ!」
と散々言われてきたので思いっきり期待をして観に行ったら、予想をさらに超えるネタ映画でした。

事故で息子を亡くしてしまった母親。しかしある日を境に突然周囲の人たちが息子の事を忘れ始める。友人や夫さえも息子のことを忘れ始めた。一体何故?みんなに騙されているのか?それとも…

という序盤のミステリーの盛り上がり方はかなりのモノ。
「一体どんなトリックが!?っていうか普通に面白い映画じゃん!」
と真剣に鑑賞していると…中盤でアッサリとバラされるトリックの内容に仰天。夢オチや妄想オチ以外でここまで万能的なトリックもあるんだ。このトリックが許されるならどんなトリックでも作れると思うぞ。いや僕は許すけど。それにこのトリックの伏線が[「空を見上げる」]だけというのも凄い。


でもこの映画面白かったぞ。確かに『バンジージャンプする』に匹敵する珍作だけど、最近のシャマラン映画が好きな人にはたまらないと思う。
ただこの映画って母親が何もしなくても事件は解決したんじゃないのかなー?


【ベスト珍シーン】
ばっひょーん
観た者にだけわかる壮絶な演出。一度観たら頭から離れません。
[うっかり妊娠中の記憶を除去するのを忘れたために、「息子の名前はサムよ、このクソ野朗!」と決め台詞を言われてクビになる宇宙人が]ばっひょーんされる瞬間の表情。
映画館だから声を出さずに笑ったけど、自宅だったら笑い転げただろうなー。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第三位   逃亡者・木島丈一郎

『逃亡者・木島丈一郎』の詳細はここ参照

『交渉人 真下正義』のスピンオフのTVドラマ。映画じゃないのでちょっとルール違反ですが、あまりにも凄くて…。

リュック・ベッソンを超え、君塚良一を超え、最強の底抜け脚本家の十川誠志の新作。貰った情報ですがこの脚本家は専門がアニメで、アニメの頃も「何らかのエネルギー」で説明付けを行ったり、パトレイバーをパクってたりして有名だったらしいです。僕は『交渉人 真下正義』を観て「十川誠志には二度と実写の仕事は来ないだろう」と思っていたのですが、あっさり来ました。
ちなみにリュック・ベッソン、君塚良一、十川誠志の脚本に共通するのはパクリ以外にも登場人物達が超能力者としか思えない程物語の筋を把握しているという点があると思います。

おおまかな展開は以前ネタにしたけど、それだけじゃなくて台詞一つをとっても
「台東区の逆に向かっている」
という台詞があったりして「?」と思ってしまう(ここは「台東区からどんどん離れている」にするべきでしょう)。
でも実は僕にとっては『踊る』シリーズで一番面白かったんだよなー、


【ベスト珍シーン】
謎の組織から逃げるために警察から逃げるという展開
何で警察から逃げるのよ?というツッコミ以前に謎の組織ってオイ。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第四位   ステルス

『ステルス』の詳細はここ参照。

予告編を観ただけで全身が痺れるように興奮した作品でしたが、本編を観たら脳みそが痺れる程のバカ映画。
「そこにテロリストがいるから」
「そこに核兵器があるから」
「そこにミグ戦闘機がいるから」
まるで「そこに山があるから」の如く、世界中で空爆と撃墜を撒き散らす主人公たちステルスチームの活躍を描いた本作。「そこにアメリカ人がいるから」という理由で[38度線を空爆]するシーンなんかはもはや笑えません。でも…面白いんだよ!さすが一度も本土決戦をせずに空爆だけで日本を焦土にさせたアメリカの映画だぜ。


【ベスト珍シーン】
アラスカ基地以降の主人公の行動
[自国側の基地を破壊した後、緊張関係にある国に領空侵犯]するというのはテロ以上の悪行だと思います。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第五位   エレクトラ

『エレクトラ』の詳細はここ参照。

『デアデビル』のスピンオフという多くの人が別に待ち望んでいなかった作品。今時珍しいバカ日本文化映画で、「KIMAGURE(気紛れ)」という特殊能力を駆使して戦うアクション映画でした。「KIMAGURE(気紛れ)」を使えばあらゆる奇跡が起きます。気紛れで未来を予知し、気紛れでテレパシーをし、気紛れで死人も生き返るってこの映画のスタッフは気紛れで映画作ってるのか。


【ベスト珍シーン】
ボブ・サップVS木
まるでドリフ

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第六位   頭文字D THE MOVIE

日本の漫画の映画化は外国にやらせるべき理論に乗っ取った作品。日本の漫画の映画化権を買ったのだから映画の舞台は自国にすれば良いのに、律儀にも舞台は日本にしてくれた。日本ロケを敢行し、登場人物は(一人除いて)みんな台湾人・中国人。だけど彼らは全員日本人ということになっていて吹き替えで日本語を喋っている。でも珍作に選んだ理由はそれじゃない。

『頭文字D THE MOVIE』を珍作に選んだ理由はただ一つ、黄秋生ことアンソニー・ウォンです。香港映画界の名優アンソニー・ウォン演じる藤原豆腐店のおやじが、常に酔っ払っているんです。アンソニー・ウォン本人が酔っ払っているのです。実際に酒飲んで酔っ払ってから撮影しているので、酔っ払った演技をしているオッサンではなくて酔っ払ったオッサンが画面に出てくる。さすが大物は違う!(でもアンソニー・ウォンは本当にアジアの名優なんだぞ)


【ベスト珍シーン】
アンソニー・ウォンが女を抱えるシーン
キャバクラに行って両脇にキャバ嬢抱えてガハハと笑っていたアンソニー・ウォン。クライマックスで秋名峠のギャラリーの女の子達もいきなり両脇に抱えてガハハと笑い出すアンソニー・ウォン。アンソニー・ウォンにかかれば秋名峠もキャバクラに見えてしまう。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第七位   アイランド

クローン人間を題材にした典型的なハリウッドのバカ映画。偽の世界を構築してクローンたちを施設に閉じ込めるというアイデアはSFらしくて面白いし、死者2,30人は逝ってるんじゃないか?っつー位激しいというか大雑把なカーアクションもステキ。
でも「クローン人間から臓器を取るには、[クローン人間に人間らしい生活をさせないと]いい臓器が取れない」というアホらしい設定がちょっと…。セックスに関する興味を一切持ってなかったはずのクローン人間が、元の人間がセックス好きだったということが観客に説明されるとセックスを始めるシーンもかなりバカらしい。


【ベスト珍シーン】
[世間から隠されていたクローン人間たち(セレブはもちろん大統領も)が解放される]ラストシーン
どー考えてもこれから世界中が大混乱に陥っていくブラックなシーンのはずなのに、壮大な音楽と大げさな空撮で強引に感動させて観客を騙そうとしているのがミエミエで面白い。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第八位   七人のマッハ!!!!!!!

タイ映画です。
ある日突然田舎の村がテロリストに制圧される。だがたまたま村に慰問していたアスリート達が各々のスポーツ技を駆使してテロリストに立ち向かう!
という映画なのでジャッキー・チェン・テイストを期待していました。実際オープニングアクションのデスウィッシュスタントは観客たちから唸り声があがるほどの凄まじさ。ところがいざ物語が展開すると…すんげえ愛国映画でした
まず初っ端の制圧シーンが凄惨すぎる。テロリストが村人の半分を虐殺して残りの半分を人質に。残された人質はどうなるのかと思いきや、[ラジオから国歌が流れてきたので反撃開始]。その後は主人公達はもちろんのことおじいちゃんおばあちゃんから小さな女の子まで、村民総出でテロリストに立ち向かう地獄絵図が展開します。国民一丸となることの不気味さがちょっとわかった。


【ベスト珍シーン】
10歳位の少女がテロリストと格闘で戦うシーン
あまりにも衝撃的なシーンなんですが検索してみると「少女がシャイニング・ウィザード!」で一杯出てくるので笑った。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第九位   ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ

近年益々サプライズ・エンディングの映画が増加していますが、その一方でトリックがバレバレの映画も増えています。その典型的な一本。まあトリックがバレているのは仕方ないとして、珍作に選んだ理由はファムケ・ヤンセンです。ファムケ・ヤンセンを知らない人に説明しますと、ファムケ・ヤンセンとはオランダの女優でして、優れた美貌を持ちながらどーしょーもない映画ばっかりに出ているので「B級映画の女王」とも呼ばれ世界中の映画ファンに愛されている人です。
そのファムケ・ヤンセンがどーして「珍」なのかというとですね。ファムケ・ヤンセンは勿論美しい女性です。でもそれは40歳という年相応の美しさです。この映画はそのファムケ・ヤンセンを少女女優のダコタ・ファニングとの対比に使うシーンがあるのよ!↓


【ベスト珍シーン】
「ハイド&シーク!」のシーン
[「いや…、やめて…」という美少女ダコタ・ファニングの泣き顔が、突如として美熟女ファムケ・ヤンセンのドアップ&決め台詞&銃撃に変貌する珍シーン]。このオチも観客にはバレバレなのに驚かざるを得ない、ある意味最強のトリック。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

第十位   ハリー・ポッターと炎のゴブレット

『賢者の石』『秘密の部屋』とワーストに入れてましたが、『アズカバンの囚人』が意外な快作だったために、このシリーズに対する印象を180度変化させて『炎のゴブレット』の公開を待ちました。
結果は…まあまあの出来。開き直ったのかのようにイベントムービー化しているのが好感持てました。魔法学校のロックバンドはどーかと思うが。あとドラゴンの描写も凄かったなー。


ではどーして珍作に入れたかというと…悪役の行動おかしくない?ヴォルデモートの復活のためには宿敵の○が必要らしいんですが、この宿敵の○を手に入れるために悪役は恐ろしい程回りくどい方法を取るし、そのための努力も並大抵ではない。
何せ宿敵の○を手に入れるために[三大魔法学校対抗試合でハリーを優勝させなければならないのだ!]ってこの時点で既におかしいぞ。
そのためにイギリスとフランスとブルガリアの代表選手(しかもみんなハイティーン)相手に[子供のハリーを勝利させなければならない]。しかも大会は子供が参加できないので、[悪役]はまずそこから頑張らなきゃいけない。

ハリーが謎解きに直面したら、[直接ハリーに解答を教えると自分の存在がバレるのでハリーの友人や先輩に解答を教えるなんてことまでする。悪役の表向きはハリーの教師なんだから、ハリーから血を貰えばそれで済む話]。もしそれができなくてもせめてハリーに「ドラクエで言うところのキメラの翼」を使わせればいいのに。何でここまで回りくどい方法を取るんだろう?悪役の涙ぐましい努力を想うとどーしても笑えてしまう。(原作だと説明がついているらしいです、教えてもらいました)
他にもフランス人をセクシー美女軍団、ブルガリア人を筋肉軍団として描き、ハリーが惚れる女が中国系で、パーティーで一緒になるのがインド系という、イギリス人独特の人種感も面白かった。


【ベスト珍シーン】
[エリート生徒が死んで]みんな静まりかえるシーン
数々のイベントでギャーギャー騒いでる描写が2時間以上も続く学園モノなので、ちょっと辟易していました。このシーンでギャーギャー騒いでるヤツラ全員が思いっきり水差されているのでスッキリした。

2005年度公開作品_珍作映画総評

一位:バンジージャンプする
二位:フォーガットン
三位:逃亡者・木島丈一郎
四位:ステルス
五位:エレクトラ
六位:頭文字D THE MOVIE
七位:アイランド
八位:七人のマッハ!!!!!!!
九位:ハイド・アンド・シーク 暗闇のかくれんぼ
十位:ハリー・ポッターと炎のゴブレット

ベストワースト選定で扱いの困る作品があります。例えば…
★の評価は普通だけど、強烈に心に焼きついてしまった映画
ベストとワースト、どっちに入れればいいかわからない映画
褒める気にも貶す気にもならんが、とにかくスゲー映画
まあ『パニッシャー』のことなんですが、そんな映画も評価するために珍作ベスト10を作りました。(珍作の英訳がFUNNIESTというのが適切かどうかはわかりません)
2005年最強の珍作はやはり『バンジージャンプする』『フォーガットン』の2本でしょう。この2本はベストに入れてもいい。
『逃亡者・木島丈一郎』『ステルス』『エレクトラ』はいずれも破壊屋でツッコミ入れまくった映画。6位以下はちょっとこじつけです。

▲一番上に戻る△破壊屋に戻る

破壊屋破壊屋ベスト&ワースト2005年の映画の感想一覧ベスト映画ワースト映画珍作映画